“中国のスパイ”前市長の身柄確保 逃走先のインドネシアで拘束
中国のスパイ疑惑が持ち上がり、海外に逃亡していたフィリピンの前市長が、インドネシアで身柄を拘束されたことが分かりました。
フィリピン当局が公開した身柄拘束時の映像。
ピンクの上下に白いカーディガンを羽織っているのが、フィリピンのルソン島北部にあるバンバン市の市長だったアリス・グォ氏です。
現地メディアによりますと、グォ氏は市内にある中国人向けの違法なオンラインカジノの運営に関与した疑いがあるなどとして、逮捕命令が出されていました。
グォ氏とはどのような人物なのでしょうか。
養豚場で育つなど庶民派をアピールして人気を集めたグォ氏は、2020年にバンバン市の市長に当選。
選挙活動中の映像では、グォ氏のイメージカラーであるピンクのシャツを着た多くの熱狂的支持者の姿も見られました。
そんな人気市長に疑惑が浮上したのは2024年3月。
捜査当局が中国人も利用するオンラインカジノの施設を摘発。
その施設があった土地の半分を、グォ氏がかつて所有していたことが判明したのです。
現地当局がグォ市長の指紋を調べたところ、グォ・ファピン氏という別の中国人女性と一致。
その後、捜査当局は本物のアリス・グォ氏とされる人物の写真を公開。
見比べると全く別人のように見えます。
こうした経緯で、中国のスパイ疑惑が浮上したグォ氏。
7月には不法にフィリピンを出国し、8月、市長を解任されていました。
インドネシアに逃亡していたグォ氏でしたが、4日未明、首都ジャカルタで身柄を拘束されました。
近くフィリピンに移送される見通しです。